キーワード解説:「自民党」
正式名称:自由民主党
設立:1955年
代表:菅義偉(自民党総裁)
主な所属議員:麻生太郎(財務大臣)、小泉進次郎(環境大臣)、安倍晋三(前自民党総裁)
かつての所属議員:小沢一郎(現国民民主党)、小池百合子(現東京都知事)
自由民主党は1955年に保守合同によってできた政党です。
日本の文化や伝統に重きを置いており、自他ともに認める保守系の政党です。
関わりの強い団体が多く、経団連、日本医師会、神道政治連盟など様々な業界とつながりを持っています。
自民党の派閥
大きな組織には必ずと言って良い程存在するのが「派閥」です。
自民党にも派閥があり、表向きは「共通の政策を推し進める集団」という名目で「◯◯会」と名乗っています。
自民党内の主な派閥()は代表
・細田派(細田博之)
・竹下派(竹下亘)
・岸田派(岸田文雄)
・麻生派(麻生太郎)
・二階派(二階俊博)
・石破派(石破茂)
・石原派(石原伸晃)
同じ政党内でもこれだけの派閥があり「政権での重要ポストに就く、就かない…」なんてこともあるようです。
その辺りは会社と似ていますね。
安倍首相は「細田派」に所属しています。
ニュースで「二階派」という言葉を耳にしたことがないでしょうか。
これは二階俊博(にかいとしひろ)率いる派閥です。
これまでに自民党の要職である「幹事長」や「総務局長」を務めています。
二階派は、他の政党から自民党へ入党してきた議員や無派閥の自民党議員を積極的に受け入れています。
時には独自路線を取ることでも度々メディアに取り上げられています。
自由民主党の主張する政策、考え方
[外交、防衛]
・日米同盟を軸にヨーロッパやオーストラリア、ASEAN、インドなどの国と開かれたインド太平洋の実現(中国、北朝鮮の封じ込み)
・ロシアとの領土問題解決
・北朝鮮拉致被害者の奪還
・中国、韓国による誤った歴史認識に反対
・集団的自衛権の行使に賛成
[社会、教育、暮らし]
・被災地の復興に尽力
・災害時にライフラインを守るためにインフラ強化
・国民皆保険の堅持
・幼児教育、保育の無償化
・女性の活躍できる社会へ
・選択的夫婦別姓に反対
・外国人参政権に反対
[経済、エネルギー]
・アベノミクスの推進
・GDP600兆円へ(現在536兆円)
・カジノ解禁に賛成
・観光立国を目指す
・デジタル技術による豊かな暮らしを実現する
・増税賛成
[憲法、法律]
・憲法への自衛隊明記に賛成
・緊急事態対応について明記
・独自の憲法草案の提案
アベノミクスとその実績
アベノミクスとは金融緩和、財政出動、成長戦略の3つの方針からなる経済政策です。
2019年4月時点で正社員の有効求人倍率1.16倍を出しました。(過去最高)
政権奪還時の2012年からGDPを66.6兆円増加させました。
また、中小企業の倒産率を3割減らすことに成功しています。
経済団体はアベノミクスを評価する声が多い一方、国民からは不満の声が多いです。
この不満は所得が高い上位20%の世帯は平均所得が増えた一方、中間層の平均所得は逆に減少していることが繋がっているのではないかと考えられます。
憲法改正の賛否
現在憲法改正は様々な議論がされています。
連立を組む公明党も「改憲」ではなく「加憲」の立場をとるなど複雑な状況です。
自民党が最も改正したいのは「自衛隊の明記」で野党から最も問題視されている分野です。
自衛隊は災害時に多くの人の命を救い被災地から良い評価を得ています。
実際に国民の89.8%が自衛隊に良い印象を持っています。
一方で自衛隊に違憲論を唱える団体、国民がいるのも事実です。
国民に多大な貢献をする自衛隊に違憲論が出ることに疑問を呈しているのが自由民主党の考えです。
東京都知事選挙
東京都知事選では自由民主党からの候補者は出しませんでした。
実質的な小池百合子支持であることが伺えます。
自由民主党と小池百合子はオリンピック開催に肯定的なところなど政策に近いものがあります。
コロナウイルス対策
自民党は経済重視の現実路線の政党のため、経済面での主張が多く見て取れます。
中小企業向けの融資や、フリーランス向けの対策など網羅的に対策を整えています。
他にも「アベノマスク」と呼ばれるガーゼマスクの配給を行いました。
サージカルマスクよりウイルスブロック機能が低く予算の無駄遣いとう意見もある「アベノマスク」です。
しかしアベノマスクはそもそも自身の予防を最大限に考えたものではありません。
マスク不足と言われていた周囲へのウイルス拡散を防ぎかつ、サージカルマスクを医療の現場に回し医療崩壊を防ぐことに重きを置いた政策です。
自民党のツイッター
自民党は、広報部がツイッターを運営し、政府の活動や政策を紹介しています。
最後に
自由民主党は長年政権を握ってきた政党で、現在も日本の政治の中心です。
諸外国との外交を円滑に進められることは長期政権のメリットですが、安保法制や共謀罪(テロ等準備罪)などの立法や自民党内での不祥事に批判があがっています。
特に最近は所属議員のスキャンダルや逮捕が明るみになり、一時は支持率が20%台にまで低下しました。
また、国内では新型コロナ対策や東京オリンピック対策などの対応に関して賛否が分かれています。
自由民主党は親交のある団体が他の政党よりも多いので、その影響力なども使いながら対策に尽力することが期待されるのではないでしょうか。