独居高齢者生活
65歳以上の高齢者の一人暮らしが年々増加傾向にあります。それに伴い、認知症や孤独死などの様々な問題もまた増加しつつあります。今回はそんな「独居高齢者」の増加問題について解説。
高齢者の一人暮らしが増加!
一人暮らしをしている高齢者の人数の推移
65歳以上の一人暮らし高齢者は、男女ともに増加傾向にあります。
内閣府 の「平成28年 高齢者の経済・生活環境に関する調査結果(全体版)」によると、1980年には、男性が約19万人、女性が約69万人でした。
占める割合としては男性4.3パーセント、女性11.2パーセントが高齢者人口です。
2010年には、男性が約139万人、女性が約341万人となり、急速に増加しています。
占める割合としては男性11.1パーセント、女性20.3パーセントが高齢者人口という結果になっています。
2025年には、男性が約230万人、女性が約470万人、高齢者人口に占める割合は男性14.6パーセント、女性22.6パーセントにまで増加する見込みです。
高齢者の1人暮らしによってどういう問題が起きる?
高齢者の1人暮らしによって最も深刻化するのは「認知症」です。
一人暮らしの高齢者が認知症にかかると、地域との摩擦が起こり、近所の住人とトラブルに巻き込まれる可能性があります。
例えば、近所を徘徊したり、交通ルールを守れず交通事故を引き起こす可能性があります。
最悪の場合、今住んでいる部屋からの退居を余儀なくされたり、犯罪に発展したりするケースもあるため、認知症高齢者を一人きりで生活させるのは問題が大きいといえます。
2025年には、一人暮らしの認知症高齢者は約150万人にも及ぶとされています。
高齢者の一人暮らしについて考える上で、孤独死もまた避けられない大きな問題の一つです。
亡くなることで、物件に損害を与えてしまったり、死体の取扱いに税金が投入されます。
放置されれば感染症が蔓延する可能性もあり、社会の負担が増えることが懸念されます。
高齢者の一人暮らしが拡大することによって様々な社会的トラブルが予想されるのです。
認知症患者の推移
高齢者問題と認知症問題は切っても切れない関係にあります。
認知症患者の推移はどのようになっているでしょうか。
ちなみに、高齢者の約4人に1人が認知症の人又はその予備群と言われています。
高齢化の進展に伴い、認知症の人はさらに増加 2012年に462万人(約7人に1人)⇒ 2025年に約700万人(約5人に1人)にのぼると言われています。
これからの方針として、認知症の人を単に支えられる側と考えるのではなく、認知症の人が認知症とともによりよく生きていくことができるような環境整備が必要です。
高齢者の暮らしを支えるために、家族ができること
高齢者の状況にもよりますが、一緒に暮らすことが本人にとって一番為になります。
自分にも家庭があったり、仕事があったりという理由で、同居が難しい場合があると思います。
その際は公的なサービスを利用したり、相談窓口に相談してみてください。
特に、認知症がある高齢者は、腐っているものを食べてしまったり、暑くてもエアコンを使わずに脱水症になってしまったりするおそれがあります。
一緒に暮らすことで、社会との接点を持たせられるように努力していきましょう。
地域で高齢者の暮らしを支えあう事が重要です。
一人暮らし高齢者の問題点を把握しておこう
ひとり暮らしの高齢者が増加しています。
高齢者のひとり暮らしが引き起こす問題を把握しておくことが今後の対策に繋がります。
同居が必ず正しい選択肢とは言えません。
本人にあった方法で、社会との接点を持ちながら、暮らしていくことが大事です。
自分たちはどうしたいのか、高齢者本人や家族で早いうちから話し合っておきましょう。