最近のイギリスのコロナ事情
感染者再増加の背景
英国では状況が急速に悪化しています。
10月9日の時点で、新規感染者数は13863人で、1ヶ月前の9月1日の1295人と比較すると大幅に増加している事が分かります。
新規死亡者数も9月初旬の3人から1ヶ月後の10月9日には87人までに増加しています。ほんの1ヶ月前までは状況が安定しているように見えていました。
ではこの1ヶ月で何が起こったのでしょうか。
感染拡大の原因
大学がスタートし、学内でクラスター発生
状況がここまで悪化した一つ目の理由は大学が9月末に始まったことです。
多くの大学が学生に「安全な」環境を提供すると言い、学生を大学に戻した結果、学生らは住んでいる地域からこれまであまり影響を受けていなかった大学周辺の地域にコロナウイルスを持ち込んでしまいました。
これが大学内でのクラスターにつながりました。
例えば、ニューカッスル大学の1000人以上の学生が、ノッティンガム大学では1400人以上が陽性になるという結果なったのです。
大学生、特に一年目の学生は大学という場を最大限に活用し、様々な人と会いたいと誰もが思っています。
私もその一人です。しかしこの思いが学生の軽快な行動に繋がって、かえってウイルスを広めているいる場合もあります。
ですが、それだけでコロナの感染拡大の責任を大学生押し付けるのは正しくないと思っています。
生徒らによるコロナの感染拡大は世界中でもう見られており、イギリスでもこれが起こるはもう目に見えていました。
しかし、それを知りながらも政府がそれを防ぐことができずに、感染者数もこの1ヶ月で増えました。
コロナの接触者追跡システムの不具合
感染が増えたもう1つの理由は、コロナの接触者追跡システムの不具合と検査の数が制限されている事によるものです。
5ヶ月前にジョンソン首相は「世界で一番いい」接触者追跡システムと検査体制を整えることを誓いました。
しかし現実は首相の発言とは程遠い事は言うまでもありません。接触者追跡システムの技術的エラーにより、9月25日から10月2日までの間にコロナウイルスの検査で陽性となった16000人と接触した人々には連絡が一切ありませんでした。
これは政府が急増しているコロナウイルス検査の需要に対応できなかったと批判されていた時に起こりました。これだけの事が起これば、コロナの感染が広がっていることに驚くイギリス人はほぼいません。
この感染拡大を受け、イギリス政府は冬の間は在宅勤務を奨励、夜10時から朝5時の間に飲食店の閉鎖を命じ、検査の数を増やしました。
また、感染がより高い地域ではナイトクラブの閉鎖など厳しい規則を課せました。
しかし、今の感染状況を受けより厳しい制限を課すことが予想されています。
最後に
このような状況で大学生になることは、私個人にとっては簡単なことではありませんでした。講義もセミナーもオンラインに移り、少し物足りないと感じる反面、オンラインだから便利になったと思う時もあります。
どうやって今の状況を最大限に活かすことができるのかを考えながら、この一年を頑張りたいと思います。
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