キーワード解説:小選挙区?比例代表?衆議院議員選挙の仕組みを解説
最低限知っておきたい「衆議院選挙」
今回は年内にもあるのではないかと噂されている「衆議院議員総選挙」についての解説です。
衆議院議員選挙の種類
衆議院議員選挙には「総選挙」「再選挙」「補欠選挙」の3つの種類があります。
私たちが一般的に「衆議院選挙」と呼んでいるものは「衆議院議員総選挙」に当たります。
[box02 title=”衆議院議員総選挙”]衆議院の任期満了あるいは内閣総理大臣による解散権の行使によって行われる選挙のこと[/box02]
[box02 title=”衆議院議員再選挙”]小選挙区において1位の得票数を獲得したものの、法定得票(当選に必要な最も低い得票数)に満たない場合や、当選人の数が定員に満たない場合などの場合に再度行う選挙のこと
[/box02]
[box02 title=”衆議院議員補欠選挙”]議員の辞職・死亡などにより生じた欠員を補充するための選挙のこと[/box02]
衆議院議員選挙〜次回はいつ〜
衆議院議員の任期は4年です。これは日本国憲法第45条に定められています。
前回は2017年10月に行われたため、現在の衆議院議員の任期は2021年9月までです。
しかし、現憲法の下で任期満了に伴う衆議院議員選挙は1度しか行われていません。
あとは全て、内閣総理大臣に与えられている「解散権」の行使によって行われています。(究極、総理ならいつでも衆議院議員選挙を実施できます。)
「解散総選挙」と呼ばれるものがこれにあたります。
時期をみて実施するすることができるのですが、これは全衆議院議員を「失職させる」ことを意味します。
次の衆議院議員選挙は任期満了で2021年秋に行われるのでしょうか。
あるいは、菅首相が解散権を行使して行われるのでしょうか。
小選挙区制ってどんな制度?
小選挙区制とは、1つの選挙区から1名の議員を選出する制度のことを言います。
1つの選挙区から複数人の議員を選出する大選挙区制に比べ選挙区の範囲が狭いので、選挙費用が比較的低く抑えることができ、有権者と候補者の距離も近くなります。
また、選挙区で最も得票数の多い1人を選ぶ制度のため、大政党に有利で政権が安定する傾向にあります。
しかし小選挙区制では、選挙で落選者に投票された票である「死票」が多くなり、小さな政党や少数意見を吸い上げるのが難しいという短所がありがあります。
それを解消するため日本の衆議院議員選挙では「小選挙区比例代表並立制」という小選挙区制のルールを採用しています。
比例代表制ってどんな制度?
参議院議員選挙でも比例代表制は採用されていますが、衆議院議員選挙における比例代表制と参議院議員選挙における比例代表制は仕組みが異なります。
今回は衆議院議員選挙において採用されている、「小選挙区比例代表並立制」での比例代表制について解説します。
比例代表制とは、政党の得票率に応じて議席数が決まります。
一定数の得票率を獲得できれば小政党であっても議席を獲得することができるので、小選挙区制とは反対に死票を少なく、少数意見を吸い上げることができます。
一方で、これも小選挙区制とは反対に、政党に投票するため候補者個人がどのような人物か見えにくい、少数政党に不利になりにくい制度です。
小政党が乱立し政局が不安定になりやすいといった短所があります。
そこで、小選挙区制と比例代表制、お互いの短所を補い合った制度が「小選挙区比例代表並立制」なのです。
そして「小選挙区比例代表並立制」なので、候補者は小選挙区と比例代表の両方に立候補することが可能です。
衆議院議員選挙の際よく聞く「復活当選」は、小選挙区で落選し比例代表で当選した候補者のことを指します。
しかし、小選挙区で得票数が有効投票総数の10分の1未満であった場合、有権者の民意にそぐわないとして復活当選はできない仕組みになっています。
また、衆議院議員選挙の比例代表制では、政党側で候補者が当選する順位を決めた名簿を定め、獲得した議席数に合わせて名簿の上から順に当選者となる「拘束名簿式」が採用されています。
同じ順位に複数の候補者を定めることも可能で、小選挙区で当選者にどれだけ迫ったかを表す「惜敗率」が高い候補が優先的に当選する決まりとなっています。
さあ!選挙へ!
このように、「選挙」は国民全員の意見を政治に反映できるような仕組みをとっています。
この記事をここまで読んでくれたあなたはもう選挙マスターです。
ぜひ投票へ行って1票を投じることで、あなたの意見を政治に反映させましょう!
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