雇用のミスマッチとは、求人側と求職者側のニーズが一致しないことを意味します。
昨今働き方に多様性が求められている中で、労働市場は大きな方向転換を求められています。深刻な人材不足の中、離職の大きな原因となる雇用のミスマッチ。今回はこの深刻な労働問題に関して詳しく解説していきます。
雇用のミスマッチとは
雇用のミスマッチとは、「採用側の企業と被採用側の人材、それぞれのニーズに違いがあること」です。
雇用のミスマッチが起きてしまうと、
- 労働者の能力を生かすことができない
- 労働者のやる気が出ない
- 離職率が上がる
といった問題が発生してしまいます。
以下、雇用のミスマッチについて解説していきます。
雇用のミスマッチの原因
では、雇用のミスマッチは何故起きてしまうのでしょうか??以下で解説していきます。
企業側が提供する情報が少ない
ミスマッチが起きるのは、被雇用者側が企業の事業や今後の展望、文化や社風といった情報を十分を十分に得られていない場合が非常に多いです。
昨今企業は求人にインターネットや採用支援企業(リクルートやdip、パソナなど)や就活イベントなどを利用しますが、そこで発信される情報が少なければ少ないほど「採用者のターゲット」が広がってしまい、ミスマッチが起こりやすくなってしまいます。
人間関係・労働環境が合わない
企業側が職務に関する説明を行っても、入社後の人間関係や文化・労働環境が肌に合わずミスマッチを起こしてしまう場合も少なく無い。
新卒採用という制度
また、日本には新卒採用という制度があり、この制度が非常に多くのミスマッチを産んでしまっている。
新卒採用(ポテンシャル採用)には、
- 大量に採用できる
- 会社への忠誠心の高い社員を育成できる
- 格安で雇用できる
といったメリットはあるものの、新卒採用は、ポテンシャル採用と言う言葉が示すように、そもそも能力ベースの採用では無いため、要求される能力も分からず雇用のミスマッチが非常に起きやすいのが現状です。
大企業では、新卒で採用されたはいいもののやることはお茶汲み、コピー用紙の取り替え、電話番なんてことはざらです。
そうなると、能力と目標の高い社員ほど、その環境にギャップを感じてやめていってしまいます。
雇用のミスマッチを解消するには
日本において、雇用のミスマッチは深刻な問題です。この問題をどのように解消していくべきでしょうか?解説していきます。
労働環境の改善
どんなにやりたい仕事に就けても、職場の人間関係が壊滅していたり、サービス残業が慢性的な問題となっているなど労働環境が劣悪な職場では誰も働きたいとは思いません。
そうした環境では、雇用のミスマッチも起こりやすくなるでしょう。
*労働環境とは、従業員が会社で働く上での場所や時間などを含めた環境のことを指します
企業情報の開示
企業のビジネス面の情報だけでなく、「企業の文化」や「社員の生の声」を発信していくことで採用者により企業のことを知らせることができ、ミスマッチを減らしていくことができるでしょう。
昨今はtwitterやinstagramと言ったSNSで誰でも簡単に発信ができます。積極的な発信が企業に合った人材の採用に繋がるでしょう。
採用に力を入れる
長期インターンとして学生を雇ったり、人事に採用を丸投げせず各部署で欲しいと思う人材に直接アプローチするなど、採用に力を入れることも重要です。
採用システム自体変えていく必要がある
雇用のミスマッチは、多くの就職者が直面せざるを得ない残酷な現実です。
「入ってはみたものの、職場環境に馴染めない」「やりたい仕事ができず苦痛」「仕事に全くやりがいを感じない」など、
ミスマッチが原因で何度も転職せざるを得ない人が毎年います。
確かにこれらの問題は企業努力によってある程度解消されるかもしれませんが、やはり制度的な問題も無視できません。新卒採用を前提とした大学教育や、採用制度を見直していかなければミスマッチの根本的解決はできないでしょう。