異常気象とは?異常気象が続くとどうなる?詳しく解説!

キーワード解説:異常気象

テレビのニュースなどで、「異常気象」という言葉がよく使われていますが、異常気象がどのようなものなのかよくわからない!という人も少なくないと思います。今回の記事では、異常気象の概要や影響などを詳しく解説していきます。

・異常気象とはなんなんのか?

・異常気象の原因は?

・異常気象が我々に与える影響って??

異常気象とは

異常気象とは、「過去に経験した現象から大きく外れた現象」のことです。

気象庁が定める異常気象の定義は、「ある場所ある時期において三十年に一回以下の確率で発生する現象」とされています。

大雨や暴風等の激しい数時間の気象

  • 数か月間続く干ばつ
  • 極端な冷夏
  • 暖冬

また、竜巻や突風のような風害や大雨害・大雪害のような気象災害も異常気象に含む場合があります。

参照:気象庁|気候・異常気象について

異常気象の原因

では、なぜ異常気象は起きるのでしょうか?

異常気象の多くは、人間の活動が引き起こしていると言われています。

  • 地球温暖化
  • 温暖化による海水温度の上昇
  • 畜産業によるメタンガス排出 など

地球の環境汚染が、異常気象につながるケースは数多く確認されています。

しかし、そのほかにも、地球の気候変動のせいだとする説・地球の周期の問題だとする説などさまざまなものがあり、竜巻や熱波のような、個々の異常気象イベントについては、明確な原因は不明です。

参考文献:国立環境研究所|この異常気象は地球温暖化が原因? 気象庁|異常気象と気候変動の実態

   

異常気象の影響

では、異常気象はどのような影響を我々に与えるのでしょうか?

農作物・畜産物が不作になる

異常気象が発生し、それが続いたりすると農作物や畜産物が取れなくなることが多くあります。

大雨で農作物が流されてしまったり、長期間にわたるお天気が続き旱魃(かんばつ)が起きてしまうなどさまざまな影響があります。

また、気温が以上に上昇してしまい水田の水温が上昇してお米がうまく育たなくなってしまったり、砂漠化が進むことで牧草が生えなくなってしまい家畜を育てられなくなってしまうなど、農業に大きな打撃を与えることになります。

このような影響は、世界各地で見られ、異常気象が国際的な問題であるということがわかります。

住宅への被害

異常気象によって、水害が発生して住宅が被害を受けることがあります。

異常な規模の大雨・大風によって住宅が破壊されたり、浸水が起きたり、悪い時は家ごと流されるなど住宅が深刻な被害を受けるケースも多いです。

また、降り続いた雨によって山が地滑りを起こす土砂災害や、ダムが決壊してしまうといった水害が起きる場合もあります。

健康被害

熱中症や重度の日焼け、高温で食べ物が腐ってしまい食中毒を引き起こすなど、異常気象は多くの健康被害を我々にもたらします。

アフリカでは長期にわたる旱魃(かんばつ)が、深刻な水不足を引き起こし、家畜が大量に死んでしまったり、1100万人もの子供が危険にさらされていると言われています。

参照:干ばつがアフリカ大陸に与える影響

特にフランスでは「熱波」という、高温の空気の塊が連続して押し寄せてくる異常気象により、2003年に15,000人もの人が無くなりました。直近の2019年にも熱波によって1500人もの人が亡くなっていて、異常気象による健康被害で命を落とす人の数は、決して無視できるものではありません。

参照:Impact sanitaire modéré des canicules de l’été 2019 sur les chiffres de la mortalité

異常気象には対策が必要

今回は異常気象の概要から原因・影響を解説してきました。

異常気象は正しく恐れて、適切な対処を行うことが重要でしょう。

異常気象の原因は、まだまだ究明できていないところも多いですが、グレタさんのように、環境問題に立ち向かう若者もいます。

こうした問題に興味を持って、自分にできることをやらなくてもいいですから、少しでも考えてみることがこれからの社会作りには必要なのではないでしょうか?

【氷河の後退】地球温暖化の影響は世界各地で起きている

キーワード解説:氷河の後退

20世紀末から、環境問題が世界的な社会問題となっています。
特に、地球温暖化などが原因で各地で氷河の後退、減少が深刻です。南極、北極に限らず、人が住む陸地に囲まれたアルプス山脈やヒマラヤ山脈でも危惧されているのです。

地球温暖化による氷河の後退

20世紀から21世紀初頭にかけての気候変動が、氷河の後退(減少)をもたらしていると考えられています。

1994年以降、地球全体で28兆トンもの氷河が消えたとするデータもあるほどです。

地球温暖化と氷河の後退に対する研究は様々な研究機関や学者が行なっていますが、中には「90%以上の確率で人間の活動が原因で起きた気候変動が原因だ」とする研究結果も存在します。

氷河の後退がもたらす気候変動の明確な証拠(nature asia)
1994年以降、28兆トンもの氷が地球上から消えていた —— 研究者は温暖化が原因と指摘(BUSINESS INSIDER)

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深刻なアルプス山脈の氷河融解

氷河と聞くと北極南極をイメージするでしょう。

しかし、深刻な氷河の減少はヨーロッパのアルプス山脈でも起きています。

気温の上昇によって山の斜面に存在する氷河が溶けると、雪崩を引き起こす可能性があります。

地滑りや洪水によってインフラが崩壊することはもちろん、近くにできた湖やアルプス山脈から流れる川の水位が上昇し決壊する恐れもあるのです。

そうなれば、下流の集落にも当然影響が出ますし、今後住めなくなる土地が増える増えるかもしれません。

氷河の減少は、観光業にも影響を与えます。

アルプス山脈には全長20kmを超えるヨーロッパ最大の氷河アレッチ氷河があります。

2001年には世界遺産として登録されるほど見るものを魅了するこの氷河ですが、20世紀の100年間で約2km縮小しました。

さらには、気候変動による氷河の後退を受け、観光客の安全面を考慮してアルプス山脈の登山道のルートを一新しました。

このように、アルプス山脈の観光で生計を立てている自治体や会社は、環境が変化するたびに戦略を練り直しているのです。

しかし、今後の環境の変化は彼らの努力では太刀打ちできないほど目まぐるしいものになる可能性もあります。

氷河の後退 高まるアルプスの危険と新たな観光の展開(SWI swissinfo.ch)
20世紀における地球温暖化と氷河の消長(国立環境研究所 地球環境研究センター)

世界最大の山脈「ヒマラヤ山脈」の氷河

8,000m級の山々が連なるヒマラヤ山脈でも氷河の後退が進んでいます。

国連環境計画(UNEP)の報告は、氷河の後退による湖や河川の決壊が甚大な被害をもたらす恐れがあると結論づけています。

ヒマラヤ山脈沿いの44の湖で起きている急速な水位の上昇が10年以内に決壊につながる可能性があると指摘しています。

インダス川ガンジス川メコン川長江黄河などアジアを流れる大河川の水源であるヒマラヤ山脈の氷河の後退は、様々な生態系にも影響を与えかねません。

小さな河川沿いに住む人口も合わせると20億人に登り、世界人口の4分の1がこの巨大な山脈の恩恵を受けています。

気候変動をはじめとする環境の変化がこんなにも大勢の人々の生活と結びつくのです。

温暖化と氷河の後退
国連報告書:ヒマラヤの氷河溶解により洪水と水不足の恐れ(日刊 温暖化新聞 アーカイブ)

最後に

氷河の後退による地球環境への影響は計り知れません。

このままの生活を続けていたら子どもたちの代が「壮大な雪山の美しさを目にすることができない」「○○の魚を知らない」という悲しい未来がきてしまうかもしれません。

私たち一人一人が深刻な「環境問題」と向き合うべき時がきているのです。

【オゾン層の破壊】オゾンホールとは何か?~環境への影響を解説~

キーワード解説:オゾンホール

太陽光から有害な紫外線を吸収してくれるオゾン層に穴が空くとオゾンホールが形成され、紫外線の量が増加します。皮膚ガンのリスクが高まるという人体への影響はもちろん、地球の生態系そのものを破壊しかねません。その原因となっている物質を規制するためにモントリオール議定書が採択されています。

オゾン層とオゾンホールとは

「オゾン層の破壊」はここ数十年の地球環境問題を語る上でのキーワードとなっています。

オゾン層とは

酸素に紫外線が作用して「オゾン」が形成されます。

オゾンは上空10km~50kmの成層圏に多く存在し、中でも25km付近に集中しています。
このオゾンが濃い空気の層のことをオゾン層と呼んでいます。

オゾンには太陽から降り注ぐ有害な紫外線を吸収する役割があります。

そのおかげで地球には豊かな生態系が作られました。

オゾンホールは地球に開いた「穴」

オゾンホールは、オゾン層に空いてしまった穴のことです。

南極では暖かくなる9月~10月頃オゾン層が薄くなる現象が見られ、1982年にはオゾン層が存在しない場所オゾンホールが観測されました。

私たちが排出する「フロン」という物質が紫外線と結びつくと塩素が発生します。

この塩素がオゾン層を破壊する要因なのですが、普通は紫外線と結合する前に大気中の水素などと結びつくため発生しません。

しかし、極寒の南極上空に存在する氷の結晶が化学変化し「塩素ガス」を生み出すのです。

その塩素ガスが9月~10月頃暖かくなる過程で太陽からの紫外線の影響で塩素となります。

よってオゾン層は破壊され「オゾンホール」が出来てしまうのです。

「北極と南極で起こっていること」(駒澤大学)
オゾン層とは(国土交通省 気象庁)

オゾンホール拡大による影響

オゾン層の破壊=オゾンホールの拡大

まず、この関係が成り立つことはおわかりだと思います。

現在、日本上空ではオゾンホールは見られませんが南極では先述の通りオゾンホールが観測され、近年では北極でも観測されました。

オゾンホールができると、私たちが住んでいる地表に降り注ぐ紫外線の量が増えます。

今までオゾン層が守ってくれていた有害な物質が地表付近まで達してしまう可能性があるのです。

過度な紫外線はシミやシワの原因になるだけでなく、将来的な皮膚ガンのリスクも高まります。

さらには地球上の他の生物にも悪影響を与え、生態系が壊れる恐れも十分に考えられます。

オゾン層が破壊されると…?(環境省)

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環境条約「モントリオール議定書」

オゾン層の保護を目的として、1985年にウィーン条約が採択されました。

ウィーン条約をもとに、オゾン層破壊の要因となり得る物質を特定し規制することで人や環境を保護することを決めたものがモントリオール議定書です。

ここでは規制する対象となる物質の「削減スケジュール」を定めて段階的に削減していきます。

例えば、冷蔵庫、空調機器から放たれるクロロフルオロカーボン(一般的にはフロンと呼ばれています)です。

過去7回に渡って改正されており、具体的な数値の修正や新たな規制物質の選定などが行われています。

モントリオール議定書は、先進国にとどまらず発展途上国も規制の実施を約束しています。

その上で、先進国が発展途上国を支援できるようなシステムを構築しました。

このような理由から環境条約の中では最も成功したものだと評価されています。

オゾン層破壊物質の規制に関する国際枠組み(ウィーン条約・モントリオール議定書)(経済産業省)

最後に

オゾンホールの拡大は、数十年後に私たちやその次の世代に影響を与える問題です。

数十億年かけて出来た「緑豊かな地球」を守って行くために決して他人事ではいられない課題です。

【京都議定書】温室効果ガス削減目標を定めた国際条約を解説

キーワード解説:京都議定書

京都議定書は、1997年に採択された気候変動に対する世界的な取り組みのための国際条約です。
先進国のみが対象であったことや大国アメリカが離脱したことなど様々な問題がありましたが、環境問題について世界が考えることを広く促す意義のある条約でした。

京都議定書とは

京都議定書は、1997年の気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)で採択された気候変動(地球温暖化)に対する取り組みのための国際条約です。

国際会議が京都で開催されたことからこの条約を京都議定書と呼んでいます。

世界で初めて条約批准国の具体的な数値(削減目標)に言及し、採択された条約でした。

以後、京都議定書に関する具体的なルールについての交渉が行われました。

8年後の2005年2月16日に発効しました。

京都議定書とは?合意内容とその後について(WWF)
「京都議定書」とは(京都府 公式サイト)
京都議定書(JCCCA)

京都議定書の発効

京都議定書が採択されるまでに至った経緯とその内容を見ていきましょう。

当時の環境と成立に至るまで

第二次世界大戦後、先進国では経済復興、経済発展が進ました。

1972年、ローマクラブ「成長の限界」を発表し、このままの発展の仕方では地球環境に影響を及ぼし、環境汚染が手遅れの状況に陥ると継承を鳴らします。

1980年代には地球温暖化オゾン層の破壊も問題となり、国際的なルール作りへの動きが活発化しました。

先進国を中心に世界中で環境問題に関する話題がフォーカスされていきます。

1992年にリオデジャネイロで行われた地球サミットで、気候変動枠組条約が採択されました。

155カ国が署名したこの条約は温室効果ガスを削減するための一般的な義務を定めたものでした。

この気候変動枠組条約の具体的な各国の義務は、締約国会議(COP)で別の条約作って定めようというシステムです。

1995年ベルリンでCOP1、1996年ジュネーブでCOP2が開催され、翌年のCOP3で京都議定書が採択されたのです。

京都議定書の内容

京都議定書は、先進国に対して温室効果ガスの削減目標を定めたものです。

ここでの温室効果ガスは以下の6種類です。

・二酸化炭素(CO2)
・メタン(CH4)
・六ふっ化硫黄(SF6)
・一酸化二窒素(亜酸化窒素)(N2O)
・パーフルオロカーボン(PFC)
・ハイドロフルオロカーボン(HFC)

2008~2012年の第1約束期間内で基準年となる1990年比で「先進国全体で5%」の削減を約束しました。

日本はこの期間内に6%の削減を宣言し、達成しています。

環境問題の概要
京都議定書(Sustainable Japan)

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失敗に終わった?京都議定書の意義

京都議定書はたびたび失敗だったと言われています。

まず、温室効果ガスの削減目標は先進国のみで発展途上国にはルールを課しませんでした。

当時世界的にも省エネが進んでいた日本に「6%」という削減目標が課されたのです。

さらに、先進国だけが温室効果ガスの削減を強制されることへの不満を持ったアメリカは2001年に離脱してしまいました。

それに対し発展途上国からも「先進国は環境を荒らしながら発展してきたのに、これから発展する途上国はそれを妨げられなければならないのか」という不満の声があがりました。

一度は決裂しかけた京都議定書でしたが、各国は諦めず積極的な呼びかけをしました。

2004年にロシアが批准したことで国際条約として効力を持つものとなり、翌年発効に至ります。

ところが、2000年代後半は「発展途上国」として免除されていた中国やインドが急激な経済成長期に入っており、大量の温室効果ガスを排出していました。

2013年以降の削減目標については白紙のままであったこともあり先進国と発展途上国の間で溝を生むことにもなったのです。

このように問題点はありましたが「数値を含んだ上での国際条約」が締結されたことは大変意義深いものでした。

また、世界中が環境問題について当たり前のように考える社会を作ったという点においても意義のある条約だったと言えます。

京都議定書とは?合意内容とその後について(WWF)

ポスト京都議定書

先述の2008年~2012年の京都議定書「第一約束期間」以降の体制の問題点をポスト京都議定書と呼んでいます。

2005年のCOP11以降、2013年からの取り組みについての話し合いが行わていきました。

結論が出たのは2010年、COP16でのカンクン合意の採択でのことです。

この合意により日本は「2020年までに2005年比で排出量を3.8%削減すること」を宣言しました。

そして2015年に開かれたCOP21で2020年以降の温室効果ガスの削減に関するパリ協定が採択されました。

パリ協定を巡っても、トランプ大統領がアメリカの離脱を表明するなど足並みが揃わない問題はあります。

京都議定書の後継となったパリ協定は、今後も続く地球環境問題の議論での中心となるキーワードでしょう。

今さら聞けない「パリ協定」 ~何が決まったのか?私たちは何をすべきか?~(経済産業省 資源エネルギー庁)

【国連サミットで採択】SDGsの「自分ごと化」

フィリピンの経験から伝えたいSDGsとは何か

SDGsを知っていますか?

皆さんはSDGsという言葉を聞いたことはありますか?
SDGsジャーナルによると、トルコ、中国では90%以上の人がSDGsを「聞いたことがある」と回答してるのに対し、日本では49%ととても低い結果となっています。
世界28か国の平均は74%で、日本は28か国中28位とまだまだSDGsの認知率が低いことが分かります。

 

SDGsを聞いたことがある!と答えた人の中には「知ってはいるけどよくわからない」という人もいるのではないでしょうか。

SDGsとは Sustainable Development Goals の略で日本語に訳すと持続可能な開発目標となります。2015年9月の国連サミットで採択された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人として取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。

例えば1の貧困をなくそうというゴールでは
1.1 2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
といった具体的な目標が掲げられています。

遠い存在のように感じていた国際問題

SDGsという言葉を聞いても、貧困の現状を知っても、どこか他人事であるような。そんな感覚でいる人もいると思います。
私も少し前まではそうでした。
貧困や紛争の悲惨な現状を知っても自分とは遠い問題のような気がして、具体的に何をしたらよいかもわからない。
改善するべきだということはわかっていても、突き動かされるような原動力がない。

フィリピンで見た景色

フィリピンのセブ島といえば、何を思い浮かべますか?

青い海と青い空ですか?
果物のジュースを飲みながらゆったりと過ごす南国リゾートのイメージですか?

私が見たものはそんな日本のガイドブックから作られるようなイメージとはかけ離れたものでした。
ショッピングモールが並ぶダウンタウン。
きれいに整備された内装とは異なり、その周辺を取り巻くのはゴミや油などが浮いた水たまり、いたるところであらゆる異臭がします。
海にはプラスチックやレジ袋などのゴミが浮いていました。
また、フィリピンでは水道からでる水はそのまま飲めません。

フィリピンは日本より致死率が高く、現地で出会ったフィリピンの学生にも親しい人を亡くすという経験した人が多くいました。

フィリピンでデング熱などの病気が流行っているのは、気候のせいもあるかもしれませんが、衛生的な問題もあると思いました。

フィクションが現実になった瞬間

小さな子供にお金を要求された。

発展途上国に訪れた人から聞いたことがあるフレーズ。

別に嘘だとは思ってない。嘘だとは思ってないけど、どこかフィクションのお話であるような感覚でいました。
フィリピンで街を歩いている中でストリートチルドレンに遭遇しました。

でこぼこした道を裸足で歩いていました。
教会の前で一生懸命ものを売りつけてくる人に会いました。
道で募金箱をおいてうなだれているホームレスを見ました。
道で横たわっている子供を見ました。

この現状をたたきつけられて、簡単に受け入れるだけの器は私にはありませんでした。
頭を鈍器でたたかれて、脳震盪を起こしているような感覚でした。
お金をせがまれて、ここでお金を渡しても根本的なものは解決できません。

一体どうしたらよいのでしょうか。

自分ごと化

フィリピンから帰国してから思ったことは、買い物する際に、私が「レジ袋いらないです。」と言ったところで世界は変わらないだろうということです。

けど、もし100万人がレジ袋をいらないと言ったら世界は変わるかもしれません

だから1人でも多くの人に意識してもらいたいと思っています。

SDGsを達成するためにはより多くの人がSDGsについて考える必要があると思います。
どうしたら多くの人を巻き込めるのか。

なにか行動を起こすときに必要なのは原動力です。
原動力とは嬉しさ、楽しさ、わくわく、怒り、憎しみなどの感情から生まれます。
そう。人を動かす時には感情を動かすことがキーになるのです。
やらされてやるよりも進んでやるのでは当然熱量が変わってきます。

具体的にどう感情を動かすかというと
諸問題を自分のストーリーに組み込む
ようにすること。

自分の‟学校を創りたい“という夢も、
選択肢がなく、自分のやりたいことが出来なく、不自由さを感じながら過ごした高校時代の経験から来ています。

まさにこれこそ、問題を自分のストーリーに組み込むということに当てはまるのではないかと思っています。
選択肢がなく、人を標準化するという現代の教育の問題に不自由さを感じたということでこの問題を自分ごと化したというわけです。

自分ごと化
今の日本にとって、とても重要なキーワードであると私は感じています。

おわりに

フィリピンの学生はこの状況を打開するために必死で考えていました。
私も一緒に一生懸命考えます。

大きすぎる壁の前にどうしていいかわからず、
ただ突っ立っている状態だけど、私たちは動かなければならない。

2030年まであと10年。

新型コロナウイルスの流行により、ますます世界は厳しい状況になりました。
このペースでは間に合いません。

間違いなく言えることは、世界中全ての人がSDGsについて考えなければこのゴールは達成できない
ということです。

https://timetankcom.wordpress.com/2020/09/16/makeschool/

レジ袋有料化のここがおかしい!~有料化の前にやるべきことがある!~

レジ袋有料化のここがおかしい!~有料化の前にやるべきことがある!~

疑問だらけのレジ袋有料化

今月1日から全国の小売店において、プラスチック製レジ袋の有料化が義務づけられることになりました。導入の目的として、有料化を契機に消費者のライフスタイル変革を促し、プラスチックごみの削減に繋げる旨が掲げられています。しかし、レジの回転率低下や、利便性の低下による消費マインドの落ち込み、マイバックを使用することによる衛生上の問題、コロナ禍での開始による感染リスク拡大への懸念や負担増、そもそもの環境対策としての有効性等々、疑問の声が多く上がっています。そこで、今回はレジ袋の有料化について、反対の立場から問題提起をしてきます。

レジ袋有料化は本当に必要なのか

有料化の目的は、所管の経産省によると、前述の通り、有料化を契機に消費者のライフスタイル変革を促すことで、プラスチックごみの削減に繋げることが目的なようです。しかし、これらは国民に義務を課してまで必要なことなのでしょうか。
まず、消費者のライフスタイル変革を促す点ですが、レジ袋の使用を抑制したことで、ポリ袋全体への需要が抑制されるとは限りません。むしろ、今まではレジ袋をごみ袋として再利用をしていたのを、新に購入する必要がある等、レジ袋以外の需要は増加することになると筆者は考えます。資源の有効利用に関するキーワードとして、3R、①Reduce(抑制) ②Reuse(再使用)③ Recyclr(再利用)というものがあるのはご案内の通りですが、レジ袋の有料化は②の理念を置き去りにしていると言わざるを得ません。「レジ袋=悪」と捉えるのはあまりに軽いのではないでしょうか。

次に、プラスチックごみの削減についてですが、プラスチックごみの内、レジ袋が占める割合はわずか2%となっており、その効果についは疑問符が付きます。その点、あくまで有料化を機に、レジ袋のみならず、国民の環境問題全般の意識を高めていくことを想定してるのでしょうが、それはあまりに短絡的ではないでしょうか。そもそも、プラスチックは、正しい処理や、リサイクルが重要なのであって、問題は海洋投棄などの無責任な処理の仕方です。軽い、丈夫、成形…まさに人類の宝であるプラスチックを、短絡的な発想で切り捨てるのではなく、正しい処理方法を啓発するのがよっぽど重要なはずです。

レジ袋有料化が引き起こす副作用

レジ袋の有料義務化は、経済活動にも悪影響を及ぼすと筆者は考えます。まず第一に、レジ袋が有料化されることにより、客にレジ袋の有無を尋ねなけらばいけなくなり、レジの回転率が下がることです。確かに、今まで経費であったレジ袋が商品となれば、その分は売上となります。しかし、レジの回転率が下がれば、当然その分の利益は下がります。また、消費者の負担は増加するとともに、利便性が低下するため、消費者のマインドが低下する可能性は否めません。

よって、小売店はレジ袋の売り上げ分は潤うものの、消費者の客足が減少する可能性は十二分に考えられます。つまり、義務的なレジ袋有料化は、経済的に負の要素が強いと考えるのが自然ではないでしょうか。それだけではなく、今回の有料化の対象はプラスチック製の持ち手のある袋が対象であるので、スーパーマーケット等における、袋詰め用の台(サッカー台)に置かれているロールポリ袋は対象外となり、そのロールポリ袋にかかる経費は増大することは間違いありません。いずれにせよ、コロナ禍で経済活動が停滞している中、いかに消費マインドを向上させるかが課題にも関わらず、消費者の財布の紐が少しでも締まることに繋がりかねない政策を今、打つべきではありません。

第二に、コロナ禍での開始により、感染リスク拡大への懸念や負担増に繋がりかねません。実際、米のカリフォルニア州や、英のイングランド等、既に有料化が進められていた諸外国でも感染拡大防止のため、再無料化にする動きがあります。衛生上疑義があり、その払拭の為には様々な負担が増加しかねない、エコバックの活用推進を、このコロナ禍で強行してしまうのは如何なものでしょうか。

プロセスに問題あり

今般のレジ袋有料化は、プロセスにも問題があると言わざるを得ません。実は、法改正でなければ、政令改正でも無く、以下のように省令改正で実施されているのです。

この度、「プラスチック資源循環戦略」に掲げられた消費 者のライフスタイル変革の促進のため、2006 年の容器包装リサイクル法改正に伴い 制定された「小売業に属する事業を行う者の容器包装の使用の合理化による容器包 装廃棄物の排出の抑制の促進に関する判断の基準となるべき事項を定める省令」 (平成 18 年省令第1号。以下「省令」という。)」を改正し、事業者による排出抑制促進 の枠組みを活かしつつ、プラスチック製買物袋についてはその排出抑制の手段として の有料化を必須とする旨を規定した。

引用:経済産業省・環境省 プラスチック製買物袋有料化実施ガイドライン

その上、「小売業に属する事業を行う者の容器包装の使用の合理化による容器包 装廃棄物の排出の抑制の促進に関する判断の基準となるべき事項を定める省令」の上位法である、容器包装リサイクル法の第九章に罰則規定があるため、小売店がレジ袋を有料にしなかった場合は、当然罰せられる可能性があります。しかし、前述のように省令改正での実施の為、国民に罰則を伴う義務を課すルールの変更を、国会の議決を通さず、官僚の裁量で行ってしまっているのです。これは、民主的プロセスの観点から、極めて不健全であると筆者は考えます。

レジ袋有料化の前にやるべきことがある!

以上のように、今般のレジ袋有料化は、目的やプロセスに綻びがあるのみならず、経済的にも、感染症下という特殊状況を鑑みても、デメリットが大きすぎるのではないでしょうか。勿論、小売店が自発的に行うのであれば、小売店、消費者共に選択の余地がありますから、そのデメリットは小さくなりますが、今般の有料化はあくまで全国一律であるので、その弊害は大きくなると筆者は考えます。(筆者も消費者として、レジ袋をうっかり購入し忘れると、大量の商品を抱えながら運ぶなんてこともあり、かなりの不便さを感じています…)

そもそも、前述のように今般の有料化で、プラスチックごみ最大の問題である、海洋投棄の解決に繋がるとは考えにくく、抜本的解決策とはほど遠い弥縫策であると言わざるを得ません。レジ袋を悪だと決めつけ、短絡的発想で切り捨てるレジ袋の有料化という弥縫策ではなく、消費者にモラルの向上を促す抜本的解決策を模索するべきではないでしょうか。結びに、「レジ袋有料化の前にやるべきことがあるだろ!」と一言添えさせて頂きます。

編集後記

3000文字近い文章となってしまいましたが、最後までご一読ありがとうございました!今回は、今話題のレジ袋有料化に対して、反対の立場から問題提起をさせて頂きましたが、皆さんどう思われましたか?少しでも、政治や経済、環境問題などのことについて考えるきっかけとなれば幸いです。また、当サイトには賛成、中立の視点からの記事も寄稿されていますので、是非読み比べて頂ければと存じます。今回は、4回目の寄稿となりました。次回以降もクオリティーの高い記事が提供できるように全力を尽くしますので、応援の程をよろしくお願い申しあげます。

https://atomic-temporary-151149301.wpcomstaging.com/2020/07/18/plastic/

私がレジ袋有料化に賛成する理由

レジ袋有料化とは

2020年7月1日より、全国一律でレジ袋の有料化が始まりました。このレジ袋有料化の目的について経済産業省は「環境の為に一人ひとりのライフスタイルに改革を促す事」だと明記しています。また、日本では一人当たりのプラスチックゴミの廃棄量がアメリカに次いで世界で2番目という事から、プラスチックのゴミを少しずつ減らす目的もあります。

何故レジ袋有料化に賛成するのか

私がレジ袋有料化を支持する主な理由は、今住んでいる英国で同じような取り組みが行われ、成功したと思うからです。 イギリス政府は2015年にプラスチック問題に取り組むために、レジ袋を有料化しました(当時は一枚7円、現在は14円)。その結果、イギリスの大手スーパーで使用されたレジ袋の数を有料化される前の2014年と比べると、およそ90%減少しました(70億5000万袋相当)。

レジ袋の有料化はプラスチック問題を解決しません。ただ、イギリスではレジ袋有料化によって、イギリス人の日頃の行動に変化があり、環境に対する意識が高まりました。環境に対する意識が高くなったことによって、イギリス政府はプラスチック製のストローを禁止したり、ロンドン市内で渋滞税が課せられる範囲を広げるなどのさらなる環境に対する取り組みを発表しています。

このように、レジ袋の有料化によってライフスタイルを見直すきっかけになったり、環境に対する意識が高くなったり、また他の環境への取り組みがより後押しされるような国に日本も将来なってほしいです。

レジ袋有料化の反対意見に対する反論

「ゴミ袋の需要が増える」

レジ袋の有料化によって、ゴミ袋の需要が増えるのは仕方がないと個人的に思います。日本に住んでいないので、どれくらいゴミ袋の需要が増えるのかは想像できません。ただ、レジ袋有料化の影響でレジ袋の需要がどれくらい減り、ゴミ袋の需要がどれくらい増えるかはまだ分かりません。ただ長期的なレジ袋とゴミ袋の需要の変化を見てから、レジ袋有料化によってゴミ袋の需要が増えたのかを判断するのが適切だと思います。

「あまり効果がない」

レジ袋有料化はプラスチック問題の解決策だとは誰もが思っていません。しかし、レジ袋の有料化が始まったばかりなのに「あまり効果がない」 などの結論を出すのはあまりにも早すぎですし、 ライフスタイルの変化にはそれなりの時間がかかります。 レジ袋有料化はプラスチック問題に取り組むための重要なステップであります。 ですが、それよりもさらに重要なのは、この後に続く環境への取り組みや国民が環境に対する意識を変えることです。また、レジ袋有料化の効果だとしても数値では測定できないもの(有料化によって高まった国民の環境に対する意識など)も必ず存在しているので、数値だけに囚われずにいた方がいいと思います。

最後に

何回も述べた通り、レジ袋有料化はプラスチック問題の解決に向けた第一歩であり、解決策ではありません。ただ、イギリスではレジ袋を有料化したことによって、環境問題に対するイギリス国民の意識は大きく変わりました。今後日本で高まる環境問題に対する人々の声をしっかり反映する環境省の積極的な取り組みを期待しています。