【5分でわかる】認知症とは?

キーワード解説:認知症

日本の慢性的な高齢化社会の中で、認知症患者は増えています。認知症が原因で起きる問題も、今日注目を浴びるようになってきましたが、あまりこの認知症について知っている人は少ないのが現状です。今回は、そんな認知症について概要から原因・種類や治療薬についても解説していきます。

認知症とは?

認知症とは、老化によって脳の神経細胞が破壊・減少し、物忘れが激しくなる忘れたことを自覚できない判断能力が低下などの症状から、日常生活が正常に送れない状態のことです。

認知症の原因と種類

慢性的に続く高齢化社会の中、認知症患者は増え続けています。その原因から種類を見ていきましょう。

認知症の原因

認知症には2つの要因に分かれます。

変性性認知症

全体の約70%がこれにあたります。

脳の神経細胞が変性・減少する事で発症する認知症です。

アルツハイマー型認知症が約50%を占めて、他に、レビー小体型認知症が20%、他には、前頭側頭型認知症が有名です。

脳血管性認知症

全体の約20%がこれにあたります

脳血管障害が原因となって発症する認知症です。

その他の認知症として全体の約10%を占めています。

脳外傷や脳腫瘍、脳炎等が原因となって発症する認知症です。

三大認知症

アルツハイマー型認知症

脳にアミロイドβやタウというタンパク質が塊となって凝集し、シナプスを死滅させる事が原因です。

唯一治療薬が存在する認知症です。

脳血管性認知症

脳血管障害(脳梗塞や脳出血の多発)が原因で、血圧のコントロールや糖尿病・脂質異常症の治療が重要になります。

レビー小体型認知症

大脳皮質に現れるタンパク質の塊「レビー小体」が原因ですが、大脳皮質にレビー小体が蓄積される理由は解明されていません。

進行性の機能低下と幻視、パーキンソニズム(振戦、筋肉の固縮、緩慢動作、歩行障害などの症候のうち少なくとも2つの症候を発現)があります。

病初期にはアルツハイマー型認知症との鑑別が困難なことがあります。

認知症患者の推移

高齢者の約4人に1人が認知症の人又はその予備群と言われています。

高齢化の進展に伴い、認知症の人はさらに増加 2012年に462万人(約7人に1人)⇒ 2025年に約700万人(約5人に1人)にのぼると言われています。

これからの方針として、認知症の人を単に支えられる側と考えるのではなく、認知症の人が認知症とともによりよく生きていくことができるような環境整備が必要です。

認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の概要

認知症の治療薬は?

治療薬ですが、これはアルツハイマー型認知症の進行遅延を目的とするものです。

・アリセプト

・イクセロンパッチ

・リバスタッチパッチ

・レミニール

・メマリー

コリンエステラーゼ阻害薬と、NMDA型受容体阻害薬と呼ばれるものの2つです。

「認知症を受け入れられる社会」を作っていく必要がある

認知症高齢者に合わせた地域の実現には、国を挙げて取り組んでいく必要があります。

認知症への対応は地域社会で協力しつつ、社会全体で共有していかなければなりません。

認知症への対応は今や世界共通の課題です。

【介護問題】高齢化社会が抱える問題点を解説

「介護の問題」が抱える問題は高齢化社会が進む日本にとって重要な社会課題の1つです。
今回は、在宅介護の現状と問題点を解説します。

介護の問題点

介護難民の増加

介護難民とは、介護が必要な「要介護者」に認定されているにもかかわらず、施設に入所できず介護サービスを受けられない高齢者を指します。

「日本創成会議」では2015年の予測で「2025年には全国で約43万人が介護難民になる」と発表しました。

介護難民が増える理由として高齢者の増加が挙げられます。

2025年には65歳以上の高齢者人口が総人口の約3割を占めると言われており、高齢者の増加に伴い、要支援・要介護認定を受ける人の数も増加しています。

また、介護に携わる従業員が不足していることもあり、介護難民が増加してしまう要因となっています。

従業員が不足している要因として、賃金問題があります。

医療の現場と同様、ひとつのミスが最悪の場合、死につながるというリスクが高い業界にも関わらず、働いている人はそれに見合った賃金がもらえていません。

早期退職するケースも多く、かつ、若手が入らないために人手不足がなかなか解決しないのが現状です。

このような背景から、介護難民は誰もがなり得る可能性がある問題と言えます。

介護の5つの問題とは?老老介護から虐待まで原因と解決策総まとめ(イリーゼ)
【1人で悩まないで!】在宅介護の現状と対策(ヘルなび メディア)

老々介護

老老介護とは、65歳以上の高齢者が65歳以上の高齢者を介護すること、つまり老人が老人を介護することを意味します。

高齢の夫婦間での介護、高齢の兄弟姉妹間での介護、高齢の子供がさらに高齢の親や身内の介護をするといったケースが該当します。

医療の進歩で日本人の平均寿命が延びたことにより、高齢者が高齢者を介護する状態を生み出しています。

老々介護は認認介護に繋がります。認認介護とは、介護する人と介護される人の双方が認知症を発症しているケースです。

虐待問題

虐待は高齢者の居宅でも養介護施設でも起きています。

「平成 27 年度 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果」によると、虐待が起きている場所の1位は特別養護老人ホームで全体の30.6パーセント。続いて、有料老人ホームが20.9パーセント、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)が15.9パーセント、介護老人保健施設が9.1パーセント、訪問介護等が6.1パーセントとなっています。

「介護うつ」という言葉があるように、介護は家族に負担となることがあります。迷惑をかけたくないと言った気持ちにより相談せず抱え込んでしまうケースがみられ、精神的にも追い込まれてしまいます。

一人で抱え込まずに家族で話し合って分担する、介護カフェなど介護者の集いに参加して気持ちを共有するといったことも、虐待防止の有効な手立てになります。

平成 27 年度 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果(老健局)

高齢者の1人暮らし

高齢者の1人暮らしで大きな問題となるのが認知症です。

認知症になると、一人で日常生活を営むことが困難になり、周りの手を借りなければ生活することができません。

そういった認知症を患った高齢者が一人で暮らすことは、近隣住民とのトラブルを招くことにもなり、犯罪や事故などに巻き込まれる危険性もあります。

家族が同居して暮らすことが一番ですが、現実問題として難しいこともあります。

介護保険制度のサービスや、見守りサービスを利用するなどして、高齢者が社会との接点を持つように働きかけることが重要です。

最後に

介護において、適切な相談窓口を知っておくことや事前の話合いを行っておくことで在宅介護に直面した際にも、不安に陥ることが少なくなります。

また、介護者それぞれにとって負担に感じている部分は異なります。

介護うつになる前に周りのサポートを受けられるように、無理をしないようにしましょう。

日本の状況によって、今後どのように在宅介護の現状が変わっていくのでしょうか。

高齢化の影響で関わる方は増えていくことが予想されるため、正しい情報を知っておくことを心掛けていきましょう。