栃木県知事選・宇都宮市長選の選挙割を取材!
11月15日に栃木県知事選・宇都宮市長選が投開票日を迎える。そんな栃木県でも、若者の投票率の低下が問題視されている。
今回はその状況を打破するための「選挙割」を企画運営する有志の大学生らにお話しを伺った。
栃木県知事選挙・選挙割実行担当:
yoshieさん
なかしまさん
インタビュアー・Policy編集部:
momota
選挙割について
momota そもそも選挙割はどのように利用するんですか?
yoshie 選挙割は、投票に行って投票済証を貰い、それをお店に見せることによって割引特典をゲットします。けど、こういう流れだとお店側の負担になってしまうので、そうならないように細かいところはお店の方にお任せしています。
m 証明書を持っていけばサービスを受けられるんですね!栃木県知事選ということで、かなり範囲が広いのかなと。栃木県全体のお店が対象なのですか?
なかしま 栃木県全体を目指しています。私たちが住んでいるのが宇都宮なので、(私たちが)知っているお店があるんですが、ちょっと宇都宮を離れるとまだ協力して下さるお店が見つかっていないです。SNSで発信してると、県内でちょっと離れてるお店でも向こうから興味を持って頂いて連絡をくださる方もいます。後一週間くらいしかないですが頑張って増やしていきたいなって思ってます。
m 今だと大体何店舗くらいが参加しているんですか?
y 現在15~20店舗で、確実ではないですが候補としては30店舗ぐらいあります。これから伺って、実際に(ポスター等)貼ってもらえるかみたいなのは聞いていこうと思います。確実に何店舗になるかはまだわからないです。
m これからどんどん増やしていく感じですね!参加店舗は飲食店が中心ですか?
y そうですね。
m 飲食店だと宇都宮は餃子が思い浮かぶんですが、餃子のお店ってあったりしますか?
な 私(の担当には)はないぞ!
y 私もないです笑 結構、餃子関係ないかもしれないです。すみません笑
m 笑 15から20店舗の中だと、いまだとどういったお店があるんですか??
y それこそ居酒屋さんとかラーメン屋さんとか、結構幅広いです。化粧品屋さんもありますし、地域のフリースペースの方とか、多岐にわたって参加して頂いております。
な あと、献血ルームの方にポスター置いて頂けることになりました!で、何か特典を付けられるかどうかがちょっと分からないので、何か余ってる景品がないか確認するとのことで。
y すごい!
m 特典がつくとしたらどういった内容になるんですか??
な もともと献血ルームって、献血に協力してくれた方にプレゼントを渡すんですね。ハロウィンや大学生の夏休みの時に、学生や二十歳以下、二十代前半で献血した人にプレゼントしてる事ってあるんですよ。なのでそういう感じで、若者に限った話ではないですが、投票に行った人に何かつけられないのかなとちょっと思いまして。お願いするだけならタダだと思い、お願いしました!
m なるほど。そしたら、ポスターを置かせてもらっているんですか?
な 私たちはポスターとパンフレットも作ってて。「投票に行きましょう」って言う。それをとりあえず置かせて頂けるという、約束をしたっていう感じですね!
m 思った以上にいろんな種類の活動をされてる方にお声かけしているなと思いました。
y 私たちの目標として、栃木県知事選挙・宇都宮市長選挙での若者の投票率を向上させたいというのがあります。前回が20%でした。5、60代は50%ぐらいあるのに、20代は圧倒的に少ない。これは課題だなと感じまして。それで2,3週間前ぐらいから同じ大学の後輩や友達にお願いをしてパンフレットを作って、高校や大学に配ろうという考えたのが最初のきっかけでした。
ポスターやパンフレットは、お二人と共に選挙割の活動を行う、まよさん作。
ただ、ポスターやパンフレットを見るだけでは選挙にはなかなか足を運ばないと思ったので、実際に投票済証明書を貰いに行き、その後に何かしらの特典を貰えるといことをやろうと。そうすることでアクションに繋がるかなと思います。主に二つのことをやろうかなというのが今回のこの企画になります。
m 選挙割を企画するのは初めてなんですね。
y そうですね!市で独自にやっているところはあるみたいですが、栃木県というのでは初めてだった気がします。
な 結構今いろんな地域で総選挙割をやってると思うんですよ。policyさんでもつくばのセンキョ割実行委員の記事 がありましたけど、全国みるとそういう取り組みをやってるところは増えてると思うので、栃木県でもできたらいいよねと思っていました。なんなら栃木県って魅力度ランキング最下位じゃないですか。なので、個人的には、選挙を通じて栃木県全体を盛り上げていけたらいいのかなっていう風に思ってたりします!
m 使う側が気になることとして、どんな割引があるかだと思います。割引の内容について、教えて下さい!
y 大田原にえんがおさんという所がありまして。学生がそこのフリースペースを使うのに1日200円かかるんですが、投票済証を持っていけばそれが無料になります。あとは、化粧品屋さんはサンプルが貰えたり。ラーメン屋さんでは味玉プレゼント無料だったり。instagramに載せていて、随時更新していく予定です。こちら側としてもまだ動き始めて2~3日なので、これから更に増やしていきたいなと思っています。
参考:栃木県知事選挙 選挙割キャンペーン公式インスタグラム
m 店舗さんへのお声がけってどうされているんですか?
y なかしまさんどうされてます??
な 私ラジオの仕事をしてるんですよ。その繋がりで声をかけてるところと、あと県内にいくつか店舗を持ってる文具屋さんとかがあるんですけど、そういうところには電話をかけてます。本部に電話をかけて。今日ちょっと駄目だったんですけど、今栃木県で4店舗ぐらい持ってる大きめの文具屋さんがあって、ちょっとそこ協力してくれたら嬉しいなと思って電話したんですけど。ちょっと駄目だったので笑 店に直接行くのもあるし、電話をかけるもあるし、あとSNS。instagramでDMを送ってみるとかもあります!
m Twitterの方拝見したんですけど、QRコードでの募集もしてましたよね!
y そうですね!インスタのDMに飛ばしてもらおうかなと思って。でも実際は、なかしまさんの言う通り、私もお声掛けしての方が多いです。お店の側からやりたいですっていうのはなかなかまだ。ややこしいのもしかしたらあるかもしれない。
な ちゃんと説明しないと分かってもらえなそうだなというのは課題に感じてて。インスタで投稿を見ただけとか、Twitterの投稿見ただけで、あれやろうって思ってくれる人は少ないかなと思いますね。
y 大学4年間で地域のキーパーソンの方々とつながる機会が沢山あって。今はその人脈を使って、キーパーソンに「お願いします教えてください!」っていう感じでいろいろ教えてもらってるって感じです。
m キーパーソンの方はお店の方である場合もあるし、そうではない場合もあるといった感じですかね。
y そうですね。みやメシ応援隊というのがありまして。宇都宮の二万人の方が見ているインスタメディアなんですが、そちらで飲食店の方とつながる機会があって、その人脈も活かしながらという感じです。
な 私もyoshieさんもこの選挙割だけじゃなくて、元々別の活動をしていて。そこでのつながりとか人脈をうまく生かしていけたらいいなって感じます!だよね?笑
y 確かに!
m すごいですね!!そんな行動力を持った学生さんってなかなかいない気がするので、尊敬します。 かなり活動的にお声かけ等されているというお話だったんですが、参加する店舗にとってのメリットとかってありますか? 前つくばの方にお話しを伺ったときは、PRの効果があると仰っていました。この記事を見た店舗の方に「選挙割参加してみたい」と思って頂けるといいかなと思うので、もしありましたら是非。
な 紹介してもらえるは大きいよね!
y 確かに!宣伝のお手伝いもできるかなというのが一点ですね。 ただ、何かをプレゼントするにも、売り上げを削って頂くという側面はあるかもしれません。お店にとっては結構痛手だと思うので、メリットよりデメリットを多く感じる方もいるなと思います。
ただ私たちとしては、未来を考えたときに、若者の選挙率が圧倒的に少ないという問題があり、「これからを作っていく人たちがこれからの社会を考えてない」という状況を変えられるのが一番のメリットだと思います。 お店の人達が投票率を上げようとして学生たちに協力してくれることによって、学生がさらに社会について考えるきっかけになると思います。宣伝効果というのが一番大きなメリットかもしれないですが、未来を良くするための一歩として、協力して頂けないかというのは色んなお店の方に訴えています。
「選挙割」の活動をはじめた理由
m 「選挙割」をされている理由、なかしまさんはどうですか?
な つくばもそうですし、他の地域でやってるのを知って、これ宇都宮でもできないかなと思ったりしたんですよ。自分、結構地元愛が強いので。投票に行ってもらうことで街とかお店の人も盛り上がってくれたらいいなっていう思いがあってやっています。
m yoshieさんはどうですか?
y 私も、投票率が上がったらいいなと。 私も元々全然政治には興味がなくて。投票にこないだ行った時も適当に名前書こうかなみたいな笑 選挙って大人がやるもんだなと思っていたんです。 けど、これって栃木の4年間=4年後の自分を決める選挙なんです。なにもなければ4年間になるので。4年後だと私は26歳になって、もしかしたら子供もいるかもしれないし。もしかしたら栃木県で働いてるかもしれないし、まだですが、もしかしたら親が高齢になっているかもしれないし。もしかしたらおじいちゃんおばあちゃんが、みたいなこと考えた時に、今は満足かもしれないけど、4年後にどうなっているかは分からないなと感じて。つらい自分がいるかもしれないなと思ったんです。 今の栃木で子供を産みたいのか、今の栃木で子供を育てたいのか、今の栃木で働きたいのかって考えたときに、今は満足かもしれないけど、未来の自分を守るためにこの選挙に行かなくちゃいけないなと思ったのがきっかけです。
そしてそれを他の人たちにも思って欲しいなと思い活動しています。ポスターは、「守りたい未来を選びに行く」っていうのがスローガンで。確かに変えたい未来はないかもしれないけど、守りたい未来を守るために選挙に行かなきゃいけないって思ったのでこの活動を始めました。
m 選挙割の運営はどんな感じですか?
y 始めて間もないので、本当に行動しながら、考えながら動いている状況です。メディアとかにも取り上げてもらうんですけど、「こんなにもメディアに取り上げてもらえるのか!」という。なかしまさん、面白くないですか笑 こんなに反響があるのかって。本当に頑張ったら50店舗とかいけそうだしって考えたときに、大学生が頑張ってるからとかではなくて、「選挙割やってるから選挙行こうかな」っていう未来が見えてきたなという自画自賛とうか笑
な 自分の生活がこの一週間ぐらいめちゃめちゃ充実してて。今日この時間は大学の授業があるけど、この時間は空いてるからどこどこの店行こうかなとか、どこどこに電話しようかなとか。おとといは一日中栃木県内のメディアに電話をかけてて。こういう取り組みをしてるんですっていう説明をしに行ったり。テレビ局にも、アポ取らずに行ってしまって。別のラジオ局に行こうと思ってたまたま通った道にテレビ局があったから寄ってみたんです。そこでお話したら「取り上げてあげるよ」って取材の日程とか決めることが出来たりもしました。
「自分達はこういう取り組みをしている」というのも知ってもらいたいんですけど、自分たちと同じように大学生で、社会を変えるために何かしたいなと思ってる人にこの記事を見て頂きたいという思いはあります。
ちょっとの勇気とやる気があれば出来る事ってきっとあると思うんですよね。大学生でもこういうことできるんだよっていうのを知って貰えたらいいなと思います。
さいごに
m さいごに、U25の若者に向けてメッセージがあれば、お願いします!
y 私たちの掲げたスローガンが「守りたい未来を、選びに行く」で。現状は満足かもしれない、美味しいご飯を食べれたり、不満なこともないかもしれないですが、これから先を考えた時に「本当に今の社会でいいのか、今の社会で生きて行きたいと思うのか」という事を、考えて欲しいと思います。
今の社会には課題が一杯あります。それこそ同性パートナーシップがまだ結ばれていなかったり。もしかしたら自分の友達が苦しむかもしれないこの社会に生きて行きたいのか。
守りたいものを守る為に、今から未来の事を一緒に考えませんか。
な 「政治って難しい」と思っている人もいるかもしれないですが、意外と自分達にとって身近なこともあるかもしれないと思います。栃木県知事選挙なども、自分の住んでいる場所に関わることです。「投票に行く」事を通じて、「自分の住んでいる地域について考える」きっかけにしてもらいたいなと思います。
m ありがとうございました!!
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