コロナ・飛沫感染対策グッズの「飛ばしま扇子」普及活動をインタビュー!
飲食店でのコロナ感染が問題となっています。
食事の際は、3密を防ぎづらいのが現状です。大声での会話等によって感染リスクが高まります。
度々飲食店でのクラスターが発生しては報じられる為、皆さんもよくご存知だと思います。
自粛期間中はもとより、現在でも時短、席数を減らしての営業などを強いられる店舗は多く、依然厳しい状況にあります。
今回はそんな飲食店での飛沫感染を防ぐ為のアイテム「飛ばしま扇子」の普及活動を行う大学生、大川さんに取材を敢行。
飛ばしま扇子のメリット、活動にあたっての思いを伺いました!
「飛ばしま扇子」大川さん
インタビュアー・Policy編集部:
momotaうの
飛ばしま扇子とは一体?
momota そもそも、飛ばしま扇子とはどういったものなのでしょうか。
大川さん 港区の感染症コンサルタントの堀さんが、食事中の飛沫感染を防ぐために扇子を使うのはどうかと提案されたところから始まります。そもそも飲食店でコロナが広がる理由として、食事中の会話による唾や、その飛沫による感染があります。しかし食事中だと皆さんマスクを外してしまうので飛沫を防げません。
そこで、会話中に一時的に扇子を使うのが良いのではないかという考えから飛ばしま扇子は生まれました。飛ばしま扇子は千葉県市川市の有志の印刷会社で作られています。これを市民が自発的な活動として、印刷所から請け負って広めています。

そしてこの扇子は飲食店の皆様に無料でお配りしています。無料でお客様に使ってもらい、飲食店内での飛沫感染を出さないことを目標にしています。最終的には感染者ゼロを目指しています。
mo 飲食店でマスクをするのは難しかったり、面倒だったりすると思うので、扇子で口元を覆うというアイディアは凄いですね!
大川 一時的に紙扇子で口を覆うほうが、食事用マスクなどをするより実用性は高いのかなと思います。
mo 抗菌素材で出来ていると伺いました。一枚の紙を折りたたんで扇子の形にして使うんですか?
大川 置かせて頂いている飲食店によって対応が違いまして。自分が置かせて頂いている飲食店に関しては、事前に折って、すぐ使えるような形にはしています。
やはり紙のまま、お客様に「折って下さい」と言っても、折るのが面倒くさかったして使っていただけないことが多いので。
自分はお店側にお渡しして(折りたたんだ状態で)直接お客様に使って頂けるようにはしていますが、お店によっては折らずに紙のままお渡ししていることもあります。
mo なるほど。それでも尚手軽だと感じます。かさばらないし。
大川 そうですね。置いているところでは、使用済の扇子をお店側が回収して頂いています。衛生面的にもコスト的にも、来店者に負担をかけることはございません。
うの フェイスシールドとの違いはありますか?
大川 実はフェイスシールド使って食事したことあるんですが、フェイスシールドを使ってご飯を下から食べるって難しいですよね!フェイスシールドにご飯が付いちゃったりとか。
あとフェイスシールドをつけて人様とお食事をするというのは皆さん抵抗があると思います。
なので、扇子という形で、一時的に隠して食事する方がコミュニケーションがとりやすかったり、ご飯が食べやすかったりはしますね。
mo 扇子で口元を隠すって雅ですよね(笑) 使いたくなります!
大川 僕たちがこういう活動をする前に、京都の扇子屋さんで実際にそういうことをしていて。高級店などでは、その扇子屋さんが使った扇子をお土産として渡していたりしていたみたいです。
うの デザインは今のところこの紫だけですか?
大川 今のところこれだけですね !活動の目的は、扇子を広めるということではなく、飲食店から飛沫によるコロナ感染者を一人も出さないことです。なので、皆さんが自発的にオリジナルの扇子を作ったり、好きな扇子を買って持っていくことに繋がればいいなと思います。
飲食店の復活や、お客さんに安心して飲食店を利用してもらえることが目標です。
mo 最近また感染予防意識が下がりつつあるように感じるので、このような活動自体が意識改革を促す部分はありそうですね!
大川 そこで紙扇子が感染者を抑える一つの手段になればと思います!
最終的には各自で作ってほしいと言っても、やはりコストはかかると思います。なので僕たちが差し上げて、広めていきたいと思います。
mo すごい興味深いですよね。ただ広めるだけではなくて、その先には、利用者の意識を変えたいという思いがあるように感じます。
大川 そうです!皆さんが自分で作ってもらっても良いのですが、やはり、紙などコストがかかるものですので、私たちが、まずは皆さんに負担をかけずに、無料でお配りしていきたいなと思っています。
mo 飲食店だけにお客さんが行くわけではないじゃないですか。飲食店以外への展望もありますか?
大川 発起人の堀さんは飲食店を中心に広めてはいますが、広めてくれる方は独自に広げてもらって良いと仰っています。僕は福祉施設にも広げていこうかなと活動をしていて、保育園などにもお配りしています。
そういった福祉施設、特に教育現場は給食などあるので、飛ばしま扇子は役に立つのではないかと考えています。
mo 福祉施設は大事ですよね。今、大川さんはどれくらいの店舗にお声がけして、どれくらい普及しているんですか?
大川 渋谷に1店舗、市川市に4店舗置かせてもらってます。大学の学食、イタリアン、懐石料理屋など、和食が若干中心ではありますが、ジャンルは縛られずに置かせてもらってます。
僕は学生の身ですので、学生の人たち、若い人にということで広めさせてもらってます。
うの 大川さんはどのあたりで活動されているんですか?
大川 渋谷や市川市です。地元が市川市ですので。
うの 地元の感触としてはどうですか?
大川 うーん。正直良いとは言えません(笑)。受け取ってもらえる方は感触はいいですが、断る方の意見としては、置くことに負担がかかる、捨てることに負担がかかる、営利目的ではないか、販売目的ではないかと思われる飲食店の方が9割方いますね。やっぱり「置くこと」そのものにリスクを感じてしまう方がいらっしゃるので、どのように説明していくか、どのように納得してもらうかが、僕に求められていることかなと思っています。
やっぱり、①置くことのコスト、②お店の雰囲気に合っているか、③捨てることのコストをお店の人たちは考えれていますね。
うの 店舗の方々からどのような声がありますか?
大川 はい。マスクがなくても、飛ばしま扇子を使うことで飛沫防止に繋がるということで、すごい画期的だなと、置かしてもらった店舗の方々には言われます。ただ、ちょっと扇子が小さいかなと言われることがありますが、ちょっと邪魔だったとか、捨てるのにお金がかかった、という声は聞きませんね。
mo 普通の扇子だったらもっとかさばるじゃないですか。紙であればかさばらないですよね。その良さがもっと広がってほしいですね。
大川 そうですね。初めての試みなので、やっとこ今順調に広がってきている段階なんですよね。松本財団という福祉の財団から支援をいただき、10月28日にはテレビの取材もされます。11月号の文芸秋春のほうにも一部言及があるので、社会に浸透しているのかなと思います。来年の夏までには、どのお店にも置かせていただけるような状況を作れるのではないかなと思います。

mo 飛ばしま扇子を使うメリットを改めて教えていただけますか?
大川 一番のメリットは飛沫を防ぐことですね。飛沫を防ぐことでコロナを防げますから。サイゼリヤでは「しゃべれる君」というものもありますが、私は飛ばしま扇子の方が使いやすいのではないかと考えています。
折り曲げてお渡しすると、箸置きほどのスペースしかとりませんので、工夫次第ではかさばるデメリットは失くせると思っています。
活動をする理由
うの 大川さんが活動にかかわったきっかけはありますか?
大川 知り合いの人からなんとか広げたいんだというお話を聞きまして、商工会議所の方ですとか飲食店の方々と協力して、感染防止に力を添えられたらと思ったので、この活動に協力しています。
活動を広める方法として、まずは飛び込みで飲食店の方々にお渡ししています。次に友人にこの活動を伝えて、協力してほしいとお願いしています。最後に、知り合いの大人たち(経営者、政治家)に実際に扇子を渡して広めてほしいとお願いしています。
mo 大人の方々からはどのような反応を得られましたか?
大川 大人たちに対しては、そうですね、その場では好評ですね。実際に広めてくれる方もいますし、そのまま捨ててしまう方もいます。しかし、その場で「いやだよ」と言われることはありませんし、会食の場では使っていただけます。反応としては悪くないんじゃないかなって思っています。
mo ご活動から、熱い思いを感じます!社会を見て、なかなかこういった活動をしている若者は多くはないですよね。なぜ、この活動ができているとご自身で思いますか?
大川 自分自身が飲食店でアルバイトしていたというのが、活動の一つの理由ではありますね。自分のお店が月40万ほどあったんですが、コロナで自粛して月2,3万に激減しました。僕もシフトに全く入れませんでしたし、そういったとこで飲食店の厳しさを実感しました。その経験から、目の前の人を助けたいという思いからこの活動に参加をしています。
うの この活動をしていく中で、この扇子のビジョンであったり展望はありますか?
大川 これは日本全国に置いてもらうというのがビジョンですよね。ワンポイントアイテムの一つとして、この扇子がみんなの中で普及してくれれば良いなと思っています。
うの 大川さんが活動していく中で、地元を見て、どのような思いがあるかお聞きしたいです。
大川 活動する中で、若者は地元を見ていないなあと感じます。なんで扇子を配っているか、なんで飛沫感染を防止しなければいけないのか理解していないんじゃないかと思うんですよね。結局そういった地元の課題とか、社会の課題を理解していないからこそ、若者の選挙の投票率は低いのかなと思います。扇子活動を通して、そういうところがあるのかなと思いました。
さいごに
mo 最後に、私たちはU25の若者に向けて、より政治参加をしてもらいたい、より政治に関心を持ってもらいたいという思いがあるのですが、大川さんから若者に向けて何かメッセージはありますか?
大川 僕の扇子のこともそうなんですけど、まずは小さいことから地域課題、社会課題を見てほしいかなと思います。
僕は飲食店でのお客様の数の減少を見て、どうにかして客足を戻していくのか考えて、こういった活動に協力させてもらっているので、扇子にかかわらず、少しでも地域の課題に協力して欲しいなと思います。
mo・うの ありがとうございました。
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